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町会議員の選挙などもあって、この構想が本格的にスタートしたのは一九八二年からで、その第一歩として国保診療所(一九床)がオープンした。斎藤氏は、地域医療のパイオニアと目されていた長野県の佐久総合病院に自ら赴いて、新しい診療所の医師として赴任してくれる二人の医師の確保に成功した。松浦尊麿医師と高田裕医師の二人である。松浦医師は赴任した一九八三年から在宅寝たきり老人などの往診をはじめたが、介護者を支えていかねばどうにもならないので訪問看護を開始する。
ところが、訪問先の老人のところにヘルパーも行っていることに気づくし、ときには保健婦の訪問指導を受けていることもあった。同じ町の職員でありながら、何の連絡もなくバラバラに仕事をしている。「同じ仕事をしているのに、お互いに話し合いもしないのはおかしい」ということで、一九八四年から月一回、訪問指導連絡会が始まった。メンバーは医師、地域福祉係、看護係、生活指導員、ホームヘルパー、保健婦、看護婦、栄養士などで、五色町の保健・医療・福祉のシステム化は、ここからスタートしたといってもいい。
その結果、看護婦とヘルパーが二人で入浴サービスの共同実施を始めた。看護婦が老人の健康状態を調べ、ヘルパーが入浴させるという分担である。次には一九九〇年から行なわれるようになった県立淡路病院との連携である。脳卒中などで入院した患者がそのまま家に帰り、町当局が知らなくて寝たきりにしてしまうというケースがあったので、県立淡路病院で退院が決まった日に五色町に申し送り事項とともに連絡してもらうというシステムが確立した。
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特養と老健をいっしょにしたことによるメリットはいろいろとある。リハビリルーム、レクリエーションルーム、浴室などの施設、設備の共用、人員の効率的配置などである。しかし、この先例のない合築のため、町は苦労を重ねてきた。開設前は補助金の問題、開設後ば職員の人事異動の問題である。
保健・医療・福祉の一元化を進めるに当たって、職員の交流を図ることで、みんなが、どの分野に配置しても仕事ができるようにしようと考えていた。しかし、特養とデイサービスの職員は国家公務員に準じ、共済組合に加入、老健施設の職員は中小企業退職金共済組合に加入している。ここで人事異動をすると退職・再配置という手続きをとらねばならなくなる。これでは退職金が継続しないという不都合が生じる。